胃癌〜MALTリンパ腫:82歳 男性
大阪府寝屋川市出身、関東在住が長い。東南アジア等海外出張多数回。
主訴:ピロリ菌感染によると考えられる胃癌発症
経過:内視鏡下手術(6時間)にて摘除不十分と判定、引き続き腹部切開による胃全摘手術を施行される。術後の心身消耗激しく、悪性リンパ腫を併発。化学療法により全身状態悪化、QOL(生活の質)の顕著な下降、運動能力低下により日常生活に甚だしい障害を抱えることになった。このとき、統合医学会にてカイジを知り、1日20gを1ヶ月、10〜20gを計5ヶ月程度服用。食欲増進、体重増加、運動機能の顕著な回復(ゴルフ18ホールを2日間連続で行えるほど)、利尿、定時的便通の回復を観察する。理学的所見として貧血・肝機能障害の回復、栄養状態の改善を見る。しかし、経済的理由によりカイジ服用継続を断念、服用中止後3ヶ月で食欲減退、固形物摂取がほぼ不可能となり、酒による栄養補給のみとなり、5ヶ月後には心神喪失状態にて発見、その3ヶ月後に逝去。死亡時体重39kg(身長:182cm)。胃癌切除後2年であった。
総括:高額医療費申請や医療費控除などの制度では、進行癌治療の実際を支えられない例である。できることがあるという実際と、受けられるかどうかに乖離(かいり)のある社会層がある。ピロリ菌感染が胃癌のみならず、悪性リンパ腫や他の癌の発症契機にもなるという注意喚起例。この症例の場合、EB virus(エプスタイン・バール・ウイルス)感染も考慮すべきである。