ペット(犬)の熱中症

この文章は、個人情報が特定できるリスクを回避するため、一部フィクションです。

最近、奇妙な経験をしたのですが、隣の犬が急に、毎日、非常にやかましく吠え続けるので、ついに眠れぬと苦情を言い行きました。徹夜明けで仮眠を取りたかったというのが原因です。

 しかるに、この家は、34℃という、ただでもうっとうしい環境の中、窓を開け放って一切空調を用いず、犬が具合悪く、それが原因で吠えていたと判明しました。吠え方にもいろいろあって、普通に遊んでいるときの鳴き声と、危険察知して耳障りな、警報的な鳴き方には雲泥の差があるとは、気づきませんでした。

 家主の後期高齢者とおぼしき女性は、これはもうはっきり熱中症になっていて、会話の内容を認知する能力はとっくに消え、しかもそれを自覚できず、認知症ではないにしろ、意識レベルが下がっているのがわかりました。救急車呼ぶ間、必死に窓を閉めて空調効かせましたが、すぐには温度下がりません。

 世の中、いろいろ警報器がありますが、炭鉱のカナリアじゃないけれど、ネコーーーは自分だけ逃げるかなーーー、ワンちゃんは飼っておくとよいかもしれません。吠え声が意味する情報を正確につかめるとよろしいのですが。うるさいと文句言って、悪かったです。褒めてあげるべきでした。まっしぐらに家中から、私に向かって走ってきて、けなげだったです。

 こんなことも世の中にあるので、まだまだ暑い折柄、皆様にはくれぐれもご自愛ください。危険はどんな形で降ってわくかわかりません。多少気温が下がったと安心して空調切る気持ちは理解できますが、そのとき、ご自分の安全を確保されていること、どこか1室は涼しい場所を作り、できれば生きた安全装置を確保することが必要な世の中ではないかと痛感します。