弊社の臨床研究もおかげさまで現在、のべ50名近くまで進みました。その中で、いろんな患者さんやそのご家族との面談や槐耳(カイジ)はもちろん、それ以外での治療、本人や奥様、お子さんへの精神療法、栄養療法、代替補完療法としてのお灸、マッサージ、整体、日常生活への指導、ゴルフなどのスポーツの勧めなどを、すべて医師がおこなっております。
癌になると、病院での治療は、患者さん全体を見ることなく、癌を治すというのでもなく、癌治療の標準治療、それもガイドラインに完全に従いすぎて、昔ながらの「塩梅」という考えがなくなっているような気がいたします。私の懇意にしている消化器外科の教授の先生は、私の患者さんの抗癌剤治療に対して、決められたプロトコールの量や期間にとらわれず、患者さんの具合を見極め、それこと抗癌剤を「塩梅」して処方されており、感心いたしました。というのは、現在の国内の抗癌剤治療は、ガイドラインに従い、ガチガチのプロトコールにより実施され、患者さんが副作用で苦しめられても、なんとか完遂することに徹し、患者さんのQOLにはあまり関心を持たないように思われます。もちろん、抗癌剤治療では体重などを基準にして、抗癌剤の量を決定するという作業はなされたりいたしますが、かといって、その量で神経障害や易疲労性、悪気や嘔吐などに悩まされても、対処療法に頼るだけで、その元になっている抗癌剤の量を塩梅するというようなことはあまり聞いたことがありません。(癌治療の標準治療を行うためには、それなりの枷(かせ)があり、個人の医師、特に大学病院や癌専門病院の医師は決定権はなく、決められたプロトコールを粛々と進めるしかないというのはもどかしいことでもあります。)
また、ある癌のトップと言われる癌の専門病院に乳癌の患者さんをご紹介する前に、その患者さんはリウマチがあり、その治療の過程(疾患そのものが原因か、治療薬による副作用が原因か、患者さんからの言では不明)で間質性肺炎の兆候が見られるので、まずは大学病院に紹介いたしました。ですが、外来担当の医師は同じ病院のリウマチ内科がかかりつけにも関わらず、患者さんの乳癌治療に向けて、間質性肺炎の症状に鑑みることなく、手術のことのみについてしか患者に説明せず、患者さんの疑問にも的確な回答をしてくれないということで、結局、大学病院での治療は諦め、国内トップの癌専門病院に別個の大学病院の有力者を通じて個人的に紹介を試みましたが、しばらくメールでのやりとりをした後、リウマチという病気があり、間質性肺炎がある患者さんの治療は遠慮したいと、紹介仲介者が偉い先生のこともありましたが、結局、丁寧に断られてしまいました。結局、この患者さんは近くの市中病院で乳癌の治療を継続するということになり、残念な結果になり、非常に患者さんにとっても私どもにとってもつらい結果となってしまいました。結局、国内トップの癌の専門病院でも、他のリウマチという代謝内分泌疾患という分野外の疾病を持つ患者さんには対処できないという話でした。