頭髪が増えるのと癌から回復できるのと?

槐耳(カイジ)療法により、末期癌さえ、自助回復の道が拓けるという例をこれまでに多々報告してまいりました。特に膵癌遠隔転移の例は根治手術も可能となり、転移巣対策も含め、大変な治療の侵襲に負けず、患者さんが治ろうとする強い意志に基づき、がんばっていらっしゃいます。診断から2年を経過し、このがんばりに触発されて、槐耳療法を選択される他の患者さんもいらっしゃって、私どもにとってはうれしい限りです。

 さて、私どもは、癌からの自助回復にばかり焦点を当てていますが、同時に、観察されることの重要性に気づきました。

1.体重が増える。回復に伴い、食欲が増し、吸収率もよくなり、栄養状態改善とともに、体重が増えてきます。大腸癌の例で、リンパ節転移なども疑われた例では、外科的除去手術後、毎月5キロも体重が増え、さすがに3ヶ月目、15キロも太ったところで、ダイエット開始されました。術前、10キロ以上体重減少していたので、もとにもどったところでもう増えなくて良い、ということですが、健康を取り戻した指標としては、ありがたい現象です。

2.頭髪が増える。特に、抗癌剤投与された患者さんには、頭髪がなくなって、精神的に非常につらい思いをされます槐耳療法後、体重増加とともに、頭髪がどんどん増える髪の毛が増える、さらに、年齢的に白髪のはずが、黒い髪がはえてくる回復基調にある、という理解が、ご自分でも確認できる。しばらくご無沙汰だった美容室、理容室に行くたびに、美容師さんからうれしい指摘をいただく、という現象は、非常に喜ばしいものであります。ご自宅でシャンプーするたび、日々回復の実感が湧きます。

3.皮膚がきれいになる。これは、薬疹として見られるものや、もともとあったアトピー性皮膚炎などが完治し、さらに、血行循環促進作用で、顔色が明るくなる貧血の改善とも連携しています。つまり、一見して非常に顔色が良い、明るい、髪の毛は増える、体重も増えるというわけで、回復が見て取れるご家族、周囲の方々の喜びは患者さん本人のみならず、皆様を幸せにするわけです。

 こういう効果については、私どもはつい強調せず、論文にもかけずというわけで、見落とされがちですが、今回、頭髪の増加について、その分子機構が明らかとなりましたので、改めて発表論文をしたためておりますHedgehog刺激伝達系という、極めて有名な機構によるのですが、これは、逆に、刺激伝達(中枢神経系のシグナル伝達にも関与)が抑制されると毛が抜ける、という話ばかりで、頭髪を取り戻すという報告がありません。

 解決法がなければ、救いがありません。

 今回は、解決法についてお話ししていますが、この槐耳効果は量に依存するので、普通の方が健康維持のために、ストレス除去のために利用する程度の量では、効果もそこそこです。だからといって、癌になってたくさん飲むというわけにはまいりませんので、その点、ご了承ください。

 ここで、友人に癌から治るのと、頭髪が増えるのと、どっちの作用がありがたいか、と聞いて見ますと、両方ほしいが、どちらかと言われれば、毛が増える方、と言われました。健康人でも、頭髪の悩みは大きいようです。