補完療法としての整体のすばらしさを目の当たりに

弊社本ブログでかつて紹介いたしました「未病対策のススメ:万病予防は無理でも発症前対策として出来ること」で、スタイリッシュアカデミー安藤道彦先生(現在、コロナ禍により、施療はかなり限定的となっております)をご紹介いたしました。今回、弊社を受診され、槐耳(カイジ)療法を開始された患者さんならびにその奥様を安藤先生にご紹介し、同行し、先生の施療を拝見いたしました。

弊社としては、癌患者さんを治すには、癌を治すのではなく、癌患者という人間を治すべきと考え、実践してきております。今回は、ご相談を承る際に、これもいつも弊社としての基本的姿勢として、癌患者さん個人による相談でなく、そのご家族の方も一緒に癌患者さんを支えていこうということで、相談の際には、ご家族の方もご一緒に弊社に来所または、弊社医師が伺った際には立ち会って話しをするということを薦めております。

さてそこで、今回のこの患者さんならびに奥様、そしてご子息も一緒に相談に来所されました。そこで2時間たっぷり患者さん本人のみならず、奥様やご子息よりお話を伺いました。昨今は、作詞家のなかにし礼氏が著書を書かれたり、テレビ出演で話されたりしているので、ご存じの方も多いかもしれませんが、癌というのは決して患者さん本人のみならず、そのご家族、特に伴侶の方にも精神的肉体的に病気を引き起こすほど、非常なるストレスを与えるものです。したがって、最新の進んだ治療では、癌患者さんのみならず、そのご伴侶の治療も必要となります。また、別の観点から、順天堂医科大学病理学教授・樋野興夫先生が、「がん哲学外来」というのものを一時的に無料で行ったところ、引きも切らさず照会が来たことも話題になったことがありました。ここでも、癌患者さんやそのご家族の方々は、病気のみならずその周辺の精神的な支えを大いに必要としていることがわかってきました。

弊社受診のこの患者さんは3年前に大腸癌が発見され、肺転移も見つかり、大腸癌の手術、その後の転移肺への3回の手術に耐え、さらに抗癌剤治療も何種類か経て、最終的には抗癌剤の副作用、ひどい嘔吐や手足のしびれということで、抗癌剤治療中止ということで、私どもに紹介されました。主治医の先生も患者さんへの理解があり、無理な抗癌剤治療を強制せず、代替補完療法としての槐耳(カイジ)療法にご理解をいただいて、一緒にこの患者さんや奥様を治していこうということになりました。

ここまで前置きが長くなりましたが、この患者さんは、奥様の介助を受けながら、杖を突かれてゆっくりとした足取りで来所されました。奥様は癌が発見されてからこの3年間気丈に過ごし、神経がほぼ焼き切れる寸前でもあり、弊社医師がゆっくりと話しをお聞きし、槐耳治療による明るい希望をお伝えしたところ、これまでの緊張の糸が切れ、涙を流されました。今まで、夫の看病に頑張ってきましたが、患者さんへのいたわりの言葉は周りからもらえても、なかなか患者さんを支えている奥様へのいたわりの言葉をかけてくれる方はそうは多くなかったことと思われました。この患者さんへの槐耳療法を開始するとともに、杖を突いての歩行しかできない患者さんと、緊張が極度に達し、弊社医師が触れると肩はガチガチに堅くなっている状態の奥様を、上記の安藤道彦先生にご紹介し、弊社医師が付き添い、病状を説明すると共に、先生の施療を拝見させていただきました。安藤先生はスタイリッシュアカデミーで東京ではプロ・スポーツ選手の施療を行っているくらいの名整体師です。週に1度、弊社の近くの秦野市でも施療を行っており、実は弊社医師2人も御世話になっております。その安藤先生に患者さんと奥様を合計1時間かけてゆっくり問診とともに施療していただきました。そこで、信じられないことが起こりました!ずっと杖無しでは歩行が困難な患者さんが支えなしに施療台からすっと立ち上がることができました。また、最終的には、患者さんが帰る際には、自立歩行され、持ってきた杖を忘れそうになった次第でした。奥様も安藤先生の施療により、いままでずっと神経をすり減らしたことによる筋肉や関節の硬直が和らぎ、緊張も取れたことと夫が奇跡のように歩けるようになったことに涙いたしました。私どもとしても「補完療法としての整体の素晴らしさを目のあたり」にした次第です。ですが、読者の皆様もご理解いただけると思いますが、これは整体がいいということでなく、施療されている安藤先生の力によるものであり、高等な技術の賜物です。なお、安藤先生はプロの選手を施療するくらいですので、予約の患者さんで満杯ですので、紹介でしか患者さんを取っておりません。そのところをご理解ください。したがいまして、このブログを読まれて、癌患者さんに関わらず、体のバランスの不調を感じている方は、薬に頼るばかりでなく、整体治療を受けることを考えてはいかがでしょうか?ただし、整体師は外科医と同様、その先生の技量が問われます。安藤先生でなくても、近所の評判などを参考に、補完療法としての整体を受けられることを考えて見てはいかがでしょうか?

最後に、癌患者さんのご家族、とくにその伴侶の方は間近に患者さんの苦痛などを目の当たりにすることにより、非常なストレスが溜まることをお話しいたしました。それゆえ、弊社医師より患者さんの主治医に連絡を取り、患者さんの奥様が良く眠れないということから、睡眠薬の処方をお願いいたし、快く了解をいただきました。奥様は眠れないということで、別の医院を受診したが、睡眠薬は処方しないというその医院の方針ということで処方されず、悩んでいるところでもあり、主治医との連絡により睡眠薬が処方されるようになったという話を聞いて、喜んでおられました。

結局、これらの一連の治療・施療により、患者さんのみならず、そのご家族の方々の表情も穏やかになり、私ども医師としてもうれしい次第であります。

後日談:この患者さんと奥様との交流は諸事情により途絶えました。主治医の先生からの連絡で、結局、比較的間もなく亡くなられたと知りました。ですが、末期とは言え、長期間歩けなかった患者さんがすっと立ち上がれ、杖もなく歩けるようになった、そのために弊社がお役に立てたことは嬉しく思っております。患者さんのご冥福をお祈りいたします。