槐耳補完療法にて、膵癌ステージIV期患者が著しい寛解を見る

こちらも第3弾論文

「プラチナ(II)複合体を用いた従来の化学療法と比較した、槐耳(カイジ)療法を用いたBcl-XLのmiRNAを介する転写制御による重度進行期癌の完全寛解」

からの抜粋です。

図1:槐耳(カイジ)服用の時間経過による患者番号6(パネルB; 両側肺転移を伴う膵腺癌)におけるCT像および腫瘍マーカー力価の臨床モニタリング

 

患者さんは56歳、男性。膵腺癌、右肺部分切除により膵癌の肺転移と認められ、両側肺転移ありステージIVと診断された。黄疸があり(総ビリルビン:7.7 mg/dl, 直接ビリルビン:5.6 mg/dl)、胆管ステント留置手術を受け、その後、両ビリルビン値は正常化した。化学療法FOLFIRINOX放射線療法の治療を受けるが、著効見られず。症状や化学療法による副作用としてるい痩(体重減少)貧血食欲低下腹部違和感手指足先のしびれ感があり。

主治医より弊社を紹介され、臨床研究での槐耳療法開始。2ヶ月後から図1Bにある通り、発見当初1,600 U/ml超えという測定限界を超えていた膵癌の腫瘍マーカーDUPAN-2が減少し始め5ヶ月後には基準値150未満の140となり、さらに6ヶ月後には120まで減少した。また、もう一つの腫瘍マーカーSPAN-1(基準値:30 U/ml未満)は、当初45, 33と基準値を超えていたが、2ヶ月後には基準値内の21となり、5ヶ月後にはさらに低下し3.9、8ヶ月後でも3.9と基準値内であった。なお、腫瘍マーカーCA-19-9(基準値:30 U/ml未満)は当初より基準値範囲内の1.0未満で、変動は認められなかった。

また、貧血の指標である血中ヘモグロビン値も癌発見時は14.4 g/dlで、槐耳治療時には12.0 g/dlまで著しく低下していたが、槐耳治療後は値の減少は収まり、11.5〜11.6 g/dlと安定している。

栄養状態の指標としての血中アルブミン値は癌発見時は4.8 g/dlであったが、槐耳治療時には3.5 g/dlまで低下していた。だが、槐耳治療後、3.9 g/dlに持ち直し、その後は3.9〜4.0 g/dlと安定している。

さらに、炎症反応の指標CRP値(基準値:0.30 mg/dl未満)は癌発見時は0.19と基準値内であったが、その後槐耳治療直前には10.39とかなりの高値を示したが、槐耳治療3ヶ月後には0.19まで低下、その後は0.34, 0.14, 0.38を極端な高値を示さなかった。

なお、これは論文発表後の経過だが、患者さんは化学療法FOLFIRINOX療法を6ヶ月続け、槐耳補完療法のおかげで、膵病変部の縮小が認められたこと、膵癌の腫瘍マーカーDUPAN2が著しい改善を見られたことと、両側肺の転移に縮小傾向が認められたため、膵癌発見後8ヶ月後に原発巣の膵頭部の切除を行った。術後1月半後の最新の血液検査の結果は、手術という大きな侵襲のため、血中ヘモグロビン値血中アルブミン値は低下しているが、膵癌の腫瘍マーカーのDUPAN2は腫瘍摘出により66 U/mlまで低下している。

退院後、患者さんは槐耳療法を継続し、経過観察中であるが、弊社受診当初よりもあきらかに表情が明るくなってきており、槐耳療法のおかげかと携わった医師としてうれしい次第である。

ただ、原発巣の膵頭部切除術後、血中ヘモグロビン値が9.9 g/dlと低下している。ですが、本論文でも述べているように、miRNAには造血促進作用を司るものがあり、患者さんが槐耳の持続服用で、術後の血中ヘモグロビン値が回復することを祈っています。

ただ、このブログのタイトルに槐耳補完療法を銘打ちましたが、今回の臨床研究第一期の全RNAシークエンシング解析によると、抗癌剤、特にプラチナ(II)複合体を用いたFOLFOXFOLFORINOXによる治療の重篤な有害事象の分子基盤は、RNA合成の破壊であり、すべてのシグナル伝達経路、特に中枢神経系および末梢神経系でのシグナル伝達の転写産物の発現を30日から90日、大規模なダウンレギュレーションをもたらすということを示しました。

最後に、なお、弊社では現在、槐耳を用いた臨床研究第二期を実施中です。ご興味のある癌患者さんは弊社のホームページをご覧になり、対象になりそうだと思われた方は弊社にお問い合わせください(左をクリックすると、問い合わせのページにアクセスいたします)。門医がご相談にのり、臨床研究の対象に合致されると判断された場合は、直接お会いし、臨床研究の開始となります。