コロナ禍による病像が、当初の呼吸器病変より、アレルギー性病変としてより多く報道されるようになってきた。米国では、気管支喘息から、小児の川崎病様血管炎へと重篤度を増し、日本においても、軽度湿疹から気管支喘息、血管内炎症の全身への飛び火が多く報告されている。
ここで、刮目すべきは、これらのアレルギー性病変が、ウイルスに起因するものと、過度の消毒剤によるものと2種類あるということである。
今週、ドイツのバイエル社の農業用防虫剤の発癌性訴訟で19兆ドルともいわれる賠償金の支払いが大きく扱われていたが、消毒剤、虫ならずとも生命を奪うための化学合成物質の毒性、発癌性を過小評価するべきではない。
日本においても、コロナウイルス対策(正確に、SARS―COV-2,つまりは第二サーズウイルス)として、次亜塩素酸水、その他エタノールはもちろん、各種消毒剤の噴霧、環境への浸透、直接手などの消毒という事態が蔓延していた。関係省庁により、使い方、効能などの詳細指導が再々行われているが、目的と手段の詳細検討が不十分なところへ、室内、環境内への野放図な毒性化学物質噴霧に対し、湿疹程度で済むうちがまだましといえるだろう。
感染症対策には、まず、体内の免疫能の正常な働きが不可欠である。それには、
1) 必要な血中タンパク質濃度の維持、
2) 肝臓の解毒機能・タンパク質合成能の維持、
3) ひいては、1日の必要な睡眠時間の確保(ストレス除去には、就寝時にしか働かない性質の酵素もある)
が必要である。ただでもストレス過多になるしかない日常で、免疫を正常に保つことを考える余裕がないむきも多いかもしれない。
また、免疫機能の問題点は、無くても困る、暴走しても困るという両局面にある。しっかり働いてほしいが、程度問題で、暴走状態になってしまうと、抑制することは補うことより難しい。制御するための因子(NFκβ、TGFシグナル伝達系等)はわかっちゃいるけど、制御するための方法は実に少ない。この、免疫緩和・必要な抑制機構が働くことこそ、本来の免疫能の正常化なのである。これは、何を補えばいいという議論ではなく、自分の日常がどうあれば正常なのか、という議論につながっていく。
槐耳(カイジ)がWHOの治験(フェーズ2&3)に認可されたのは、「この免疫緩和作用により、軽症者、重症治療後の後遺症対策となることができる」という科学検証に基づいている。NFκβ(核内因子κβ)と介するIL10(インターロイキン10、Interleukin-10)ネットワーク、TGF(トランスフォーミング増殖因子, transforming growth factor)シグナル伝達系の抑制など、暴走対策でありながら、通常の感染防御系への免疫賦活にもなる、という双方を制御できるという事実に立脚しているから、使えるというものである。きっと、ほかにも緩和作用(抑制作用ではないことに注意)のある物質は存在すると思うが、実際に基礎・臨床解析をしたものが槐耳(カイジ)だということで、槐耳作用を強調する。
かつて、戦後日本はDDT噴霧という強硬手段により、消毒を徹底させられた。このときも、アレルギーや血管炎などあったに違いないが、問題にならなかったのは、戦後日本は飢えていて、体内に十分なタンパク質量がなく、免疫暴走できる体力がなかったせいではないかと考える。今は、栄養だけは何とか確保できる(質は問わない)。これが、暴走をさえぎらない主たる原因ではないかと考える。
もしも、この免疫暴走の症候が、湿疹等で現れてきたら、周囲にある化学物質、消毒用の噴霧剤等を良く点検し、とにかく毒を遠ざけること、心配のむきは、肝機能の精査、貧血などの有無を調べ、特に環境への化学物質汚染、消毒薬という名前の毒の存在を、詳しく知り、対処すべきである。毒に侵されている可能性があるときに、違う化学合成物質(たとえば、医院に行って、十分な原因物質の究明をすることなく、ただ症状を抑えようと、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を処方されるような)を摂取するという方法論の前に、できることがある(つまり、原因物質を遠ざけること)ことを思い起こそう。