小腸腫瘍術後槐耳療法の効果

小腸における癌は、希な疾患であるが、近年、カプセル内視鏡検査の普及もあり、効率良く発見されるようになってきた。

当社のセプチン4;ブラディオン検出は、組織特異性、細胞特異性が高く、大腸癌には非常に効果的検出を行うが、近傍とはいえ、小腸における癌発症は交差反応しない。検査法開発時に、多くの病理学、外科系の先生方にご協力いただき、膵臓癌胃癌子宮癌卵巣癌等、反応しない癌を網羅したものである。その折、ごく偶然に、小腸細胞に対しても、やはり交差反応がないことを確認していた。

かなり昔のことであり、検出する癌の解析に集中するため、反応しない癌については、注意を払ってこなかった。

最近、2例の小腸腫瘍について、うち1例は術後槐耳(カイジ)療法が奏功したことから、改めて学習することになった。1例は、COVID-19の蔓延を防ぐために緊急厳戒態勢にある医院にて、カプセル内視鏡により発見され、即、手術(大変な時期であるにも関わらず)、術後すみやかに槐耳(カイジ)療法を開始した。これは、患者の判断で導入され、術後1ヶ月で体重5キロ回復するほどの順調な回復を見ている。

1例は、これから除去手術を行う予定でありますが、槐耳(カイジ)療法を希望しないので、抗癌剤治療になるのではと懸念しています。なぜなら、この患者は、抗癌剤低反応性タイプなので、作用の減少、副作用の増強が想定されるからです。

結果の比較は先のこととて、両者ともに、血便黒色便(タール便)が受診のきっかけであり、かつ、腸管出血や、体重減少貧血といった自覚症状が現れるのは、大腸癌よりはるかに期間が短い。つまり、癌化のタイムスパンが非常に短い。大腸癌が、胃癌等と比較して、随分当初進行がのろい、良性腫瘍期が長いのに比べて、小腸は胃癌タイプ(速度的に5倍以上)

また、従来の内視鏡検査にて、検知・除去が非常に困難であることも、その特徴の一つです。カプセル内視鏡だから発見できたようなものの、従来の上部消化管、大腸内視鏡においては、見落とされる例も未だ多いかと想像します。また、当社セプチン4検査においてさえ、小腸細胞由来は反応せず、早期発見法がございません。

COVID-19の時期をはさんで、大きな心労、ストレスを抱え込む方々は多いと存じます。体調不良と精神的な負担・疲労感で、病気の発症をそれと気づかずにやり過ごしてしまう方も多いはずです。やっと、COVID-19も落ち着いた日々となりつつあり、しかし、天候・気候上は非常に不安定で、体調管理には難しい時期となりました。

こういうときこそ、本来の健康診断、さらに、防御できる病気は防御しておく心構えが重要になってきます。COVID-19については、槐耳(カイジ)療法が補助療法として重症化させない、不顕性感染に著効という治験が行われるほど既に大規模研究において有効性が示唆されています。体内癌化については、画像診断を含めた検診をお奨めします。

セプチン4検出は、限られた癌大腸癌腎・膀胱・前立腺などの泌尿器科系、および悪性黒色腫という神経細胞由来の日本人には珍しい癌に有効ですが、膵臓癌・胃がん・卵巣癌・子宮癌、それに小腸細胞由来の癌には存在しません。小腸における腫瘍は、進行が早いこともあり、医院と医師を選んでの精査が必要です。ただ、何もかも心配していたら身が持ちませんので、ぜひ画像診断を含めた検診を定期的に行うこと、さらに、自覚症状が出てきたときに見逃さないことにご留意ください。これは、近年増加してきた乳癌についても同じです。

槐耳による補助療法、日常の健常性の維持、も非常に有効であることを書き添えておきます。