5月6・13日合併号から7月1日のサンデー毎日掲載の「がん制圧の法則」6回の記事を拝見し、疑問を感じました。
現在のこの先生のなされていることはそれなりに評価できるかと思いますが、それなりという点については後述いたします。
まず疑問に感じた点は、医学部外科教授という大学医学部の教室のトップにいながら、標準治療に疑問を持っていたにもかかわらず、自らその疑問を解決すべく文部科学省なり厚生労働省の研究補助金申請して、標準治療以外または標準治療を改変するなど、患者さんの立場に立っての治療法開発の努力をしなかったのかという点です。最終回では「標準がん治療はもはや時代遅れだ!」のタイトルの記事が掲載されていますが、確かに標準治療はもっと臨床の現場の先生方が患者さんに沿って、自由裁量で治療選択ができ、それを次の標準治療やガイドライン作成にフィードバックすべきと思います。建前では、医師と患者がインフォームドコンセントに基づき、患者が納得し、治療を開始するというようなことが書かれていますが、結局は数分で何ページものインフォームドコンセントの書類を見せられ、医師からは十分な説明も無く、ここ、ここと患者に署名をさせて、医師の思い通りの抗癌剤治療、分子標的医薬治療をさせられているというのが現状です。
推測するに、現在の日本の医療、特に癌治療はすべてと言っていいほど、医学部の権威と言われる人たちにより作成されたガイドラインに基づいて、大学病院や大規模病院では治療がなされています。それをはずれることはほとんどないと言っていいかと思われます。というのは、大学病院や大規模病院は、癌治療のトップの国立がん研究センターが主体となり実行されている大規模研究の下請け研究のデータ集めを行っていると言っていいでしょう。これが必ずしも悪いと言うわけではありませんが、現場の病院での患者さんへの対応を見ると、患者さんが抗癌剤や分子標的医薬の副作用で非常に困難な状況に陥っているにもかかわらず、一辺倒に抗癌剤治療を継続したり、逆に抗癌剤の治療が効かなくなった時点で他の治療法がないということでその病院から放り出されるということを良く聞きますし、そのほんの一部の方々を実際、私どもで引き受けています。国立がん研究センターを筆頭にした大学病院や大規模病院ではたしかに現在の日本の治療方針を決定するためにデータを集めることはそのセンター存在意義であるので、必要ではあろうと思いますが、かといって標準治療一辺倒で、患者さんによっては薬の塩梅をするというようなことは現在の医療ではほとんどなされていないと言って過言ではないと思われます。私の知っている大学教授は患者さんの抗癌剤副作用により悩まされている時に、抗癌剤の効果は若干落ちるかも知れないが抗癌剤量を減らすという処方量を塩梅するということを見たことがありますが、おそらく下部の下請け病院の医師たちは筆頭病院の指示に従い、標準治療のデータ集めのために、処方量を変更したり、抗癌剤や分子標的医薬で患者さんがたとえ悩まされていようが、患者さんを見るのではなく、いかに多くの標準治療のプロトコール通りに治療を行うかで四苦八苦しているのではないでしょうか。
また、最近、患者さんを大学病院に紹介したところ、紹介元の私どもではない中堅病院のデータをすべて鵜呑みし、医師が全く病理組織標本やレントゲン画像やCT、MRI画像を見ることなく、直ぐに手術しないと、あなたは1月後には死ぬよ、と言われたと泣きつかれたこともあります。また、これも紹介した患者さんが大学病院医師から病気の説明はほとんどされずに、手術したら手術台で死ぬこともあるよ、と威され、一緒に付き添った奥さんが泣いてしまうという話もお聞きしました。最近はたしかに医療訴訟やモンスター患者の存在もあるかと思いますが、そこまで患者さんを威す必要はあるのかと疑問に思ったりいたします。これらの先生は准教授や助教であったりいたしますが、教授による指導はどうなっているのか、非常に驚いております。私どもが若い時には大学病院での初診担当医はだいたい教授が担当し、横に若い医師がいて、教授の初診の様子を見て、診断技術を学んだり、患者とのコミュニケーションの仕方を学びましたが、今の大学病院はどこも忙しく、教授が初診を担当せずに、教授から助教まで一律に初診担当をしているように思われます。それは忙しい現代社会ではしかたないのかもしれませんが、そんな教室で患者さんの治療方針についてカンファレンスをして、若い先生は病気の診断・治療をちゃんと学んでいるのか心配になります。
話がとびましたので、元に戻します。
このサンデー毎日に掲載された記事を読みますと、この元教授の先生は大学を退官後、紆余曲折があり、現在は開業されて、標準治療ではなく、他院での標準治療に対し、効果が無い場合には患者さんや病院にある総合医療相談室などを通じて、他院の標準治療などに対し物申し、自院では医食同源的指導や代替補完療法を実践しているとのことです。そこでも疑問なのですが、巷でなされている高濃度ビタミンC点滴療法などをなされているようですが、これについてフィードバックすることなく、なんとなく良いと言われている代替補完療法をいろいろ試しているだけで、新たな癌治療を模索しているという様子が今ひとつ感じられませんでした。医食同源的指導も昔から流布している戦前の日本の結核病院での食事療法的指導のようで、これについても元大学教授というのなら、もう少し科学的実証を目指されてもいいかと感じております。
以前の弊社のブログ(癌患者様への食事療法警鐘記事)で書きましたが、世界的に見ても、癌の食事療法についての医学的論文や書籍が少なく、巷では一般向けの癌治療の一環として、癌患者さんであるシェフが書かれた本や栄養学を学んだこともない料理研究家、そして昔からの結核病院での食事療法を踏襲するような記載に満ちている本当は栄養学の専門家でもない医師による本が売れていて、非常に不思議に思われてなりません。その意味で元教授の医師ではなく、現役の大学医学部などの医師や栄養学の研究者による癌治療における食事療法の研究成果を期待しています。
ここまで読まれた読者の方は、ではお前はどうなんだ、と言われるかと思いますが、微力ながら弊社の研究者は中国認可第I類抗癌薬「カイジ」を使っての生体モデルを使っての「カイジ」の細胞レベルの若返り効果についての研究成果を発表いたしました。さらには現在、中国本国のカイジ製造・販売企業の後援をいただき、弊社による「カイジの抗がん効果についての分子基盤研究」(研究予算:2千万円)を推進しているところであります。弊社独自の研究のため、どうしても限界があり、現時点ではがん患者ボランティア様40名を募ってのパイロット研究であります。
最後のその臨床研究について記載いたします。ご興味のある方は弊社にメールや電話でご連絡ください。
当研究所では、毒性・副作用の強い癌治療に対する補完療法確立の一環として、今般、カイジ(PSーT: Polysaccharide-Trametes robiniophila murr)効能の分子基盤解明の臨床研究を行っております。これに当たり、がんの診断を受け、これから治療される患者様で、補完療法に興味を持つ患者ボランティア様を広く募集しております。
内容をご覧になり、参加ご希望の方、興味ある方はご自由に弊社までご連絡ください。左のアンダーライン部分をクリックされると、自動的に問い合わせのホームページが開きます。