身体に優しい癌治療に向けて補完療法の確立を願う

 臨床研究の審査委員会も会を重ねるごとに、現行の治療法の歴史的経緯や問題点が具体的に協議されてその都度よい勉強の機会となっています。先日の審査委員会では、将来、腫瘍外科が将来なくなるという、すごい可能性が示唆されて、驚きました。

 華やかだった結核の外科は抗生物質、ストレプトマイシンによって無くなりました。同じ事が癌の分野で起きようとしています。頭頸部の領域でも一時の取って取って取りまくる外科は反省期にさしかかり、抗がん剤や放射線科との組み合わせの治療になっています。なるべく患者への侵襲の少ない方法への転換です。治療自体が、身体に相当の犠牲と侵襲を強いる現在、それでも外科治療ができるものはましだという先入観が私にはありました。今、それが根底から、身体に優しい治療こそが求められるものだという新しい意識が生まれています。

 カイジにしても、診断時より除去(外科でも放射線でも)までに、毎日自分で出来る病巣の封じ込め、さらには免疫賦活であり、その後の治療にどれほど利するか、目の当たりにしてきました。普及により手術は拡大せずに低侵襲のものになるはずです。最近脚光を浴びている近赤外線光線免疫療法が確立すればもっと縮小手術になると思います。

 これからの外科は移植外科それも人工的に臓器を作っての移植が花形になると思います。もちろん良性腫瘍や先天疾患の外科など、なくならない外科がありますが、より内科的手技による(内視鏡下手術など)ものに変わって行くでしょう。 癌治療に選択肢を!毎日の、効果的自助努力を!と願って、臨床研究を推進しています。

 最後に、当研究所では、毒性・副作用の強い癌治療に対する補完療法確立の一環として、今般、カイジ(槐耳)効能の分子基盤解明の臨床研究を行っております。これに当たり、がんの診断を受け、これから治療される患者様で、補完療法に興味を持つ患者ボランティア様を広く募集しております。

 内容をご覧になり、参加ご希望の方、興味ある方はご自由に弊社までご連絡ください。左のアンダーライン部分をクリックされると、自動的に問い合わせのホームページが開きます。