2017/07/04に弊社ブログにて「カイジ若返り効果記載弊社論文」、2017/07/06に「カイジ若返り効果弊社論文図1」、2017/7/14に「カイジ若返り効果弊社論文図2」、2017/7/19に「カイジ若返り効果弊社論文図3」、2017/7/24に「カイジ若返り効果弊社論文図4」をお伝えしました。今回は、図5とその説明文を日本語に訳しましたものと解説を提示いたします。ご笑覧ください。
カイジの取り込みは、メタボロームプロファイルの発達/初期胚期への移行を引き起こした。
カイジ取り込みによる形態変化に関与する詳細な情報を得るため、糖、アミノ酸および有機酸を含む低分子量の親水性代謝産物のプロファイリングのGC / MSベースのメタボローム解析を行った。
メタボローム・データ・マトリックスを主成分分析した(図5)。その結果、PC1(68.6%)およびPC3(18.4%)によって形成された主成分 (PC) 空間において、4つの異なる試料のデータがその後、4つの異なる群に分離されることを示した(図5A)。グループ分けは、ショウジョウバエ(野生型またはykiS168A遺伝子導入変異体)のタイプ、およびカイジ投与の有無にほぼ完全に一致した。以前に発表された標準的な代謝物マトリックスと比較すると、カイジ投与群は成熟/成熟段階から初期発達段階(反時計回り)に移行したが、カイジ投与された正常なハエは成熟シフト(時計回り)を示した。癌モデル(ykiS168A遺伝子導入変異体)は、未分化細胞群で予測されるように、反時計回りの回転を示し、カイジ投与群は明らかな反時計回りを示した(図5A)。
スコア・プロットの解釈では、原点までの距離に基づいてローディング・プロットの代謝産物の分布に焦点を当てた(図5Bおよび5C)。いくつかの重要な代謝産物がカイジの治療効果にとって重要であることがわかった。 具体的には、トレハロースとグルコースは、ショウジョウバエの胚発生の胚初期に示されているように正の寄与を非常に示したが、グルタミンはPC1上の分離に負の寄与をした(図5B)。 一方、グリシン、アラニン、ホモセリンおよびリシンのレベルは高く、リンゴ酸、クエン酸とアラビトールは低かった(図5B)。これらの代謝産物は逆相関し、処理された基はPC3に従って未処理の群から分離された。これらの代謝産物は、砂糖やアミノ酸の代謝に関連して、細胞の増殖と特定のための非常に重要なエネルギー資源であるため、初期代謝段階で必要とされるエネルギー代謝になる可能性がある。
図5Cに示すように、代謝物の典型的な変化の3つのパターンが存在した。第1に、アラビノース-5-リン酸およびアラビトールならびにグルタミン、アスパラギンにおいて、カイジ処理後の有意な増加が観察された。第2に、リジンおよびホモセリンで有意な減少が示された。第3に、アラニン、グリシン、ウラシル、キサンチン、キシリトールおよびDOPAのようなカイジ投与後にわずかであるが有意な減少を示した。さらに、炭素源としてのアラニンの重要性は、特に癌幹細胞における腫瘍抑制機構に関連していることが強調されている。
トレハロースはまた、幼虫期の早い段階でショウジョウバエの体液中にエネルギー源として存在すると報告されている。ショウジョウバエの胚におけるトレハロース・レベルの増加と神経発生との間には強い相関があることが報告されている。アミノ酸代謝の変化はまた、カイジ投与が発生段階または胚発生時に細胞電位に応じてメタボロームをシフトさせることを示唆している。