高度進行癌の患者さんで、病院からすることがないということから退院させられ、どこに行ったらいいのか、他に相談する医師がいないということで、弊社が相談を受けることが多々あるという話をいたしました。もし、そこでの主治医とのコミュニケーションが取れるというのでしたら、緩和ケアの名医を紹介してもらうくらいまで、あきらめずに納得するまでその先生に食らいつきましょう。主治医が期待できないならば、大きな病院には少なくとも総合相談室とか患者支援センターというものがありますので、そこに相談に行きましょう。それでも駄目なら、市町村の医療相談室に連絡して、相談しましょう。
緩和ケア病院に行けば、すべて安心という方もいらっしゃるかと思いますが、ここでは緩和ケア医が普段、経験していることなどを、患者さんやその家族も知っておいかれたら有意義かと思いますので、ここで緩和ケア医の本をご紹介いたします。
大津秀一著「1000人の死を見届けた終末期医療の専門家が書いた 死ぬときに後悔すること25」
この本はテレビで紹介されたせいか、良く売れたようで、逆にAmazonでは、中古が安く手に入りますので、興味がある方は読んで見て下さい。忙しい方は、目次のタイトルだけ読んで、後は自分でそのタイトルについて考えるというだけでもよろしいかと思います。前の良書紹介でも申しましたが、ここでこの本の解説や評論は差し控えます。興味がある方は読んでくださいと紹介のみにさせていただきます。
私なりに、もう一つ加えさせていただけると、癌と診断されたら、それが早期であろうと進行癌であろうと、その時点でゆっくりと立ち止まって、ゆとりのあるときに、人として生まれた意義などを哲学書や、宗教書などを読まれるというのもお奨めしたいと思います。