2017/07/04に弊社ブログにて「カイジ若返り効果記載弊社論文」、2017/07/06に「カイジ若返り効果弊社論文図1」をお伝えしました。今回は、図2とその説明文を日本語に訳しましたものと若干の解説を提示いたします。ご笑覧ください。
ヒポ伝達経路:ヒポ(Hippo)とは動物のカバのことです。ヒポという伝達経路系はショウジョウバエ研究から始まりました。ショウジョウバエの器官の大きさに異常を示す変異体の解析から原因遺伝子が同定され、変異体の表現型(頭でっかち)がカバを連想させたため、ヒポ(Hippo)と名付けられました。
ヒポ伝達経路は、細胞密度の変化に応じ、細胞分裂やアポトーシス(プログラムされた細胞死)、器官の大きさを制御し、そのヒポの上下流で働く一連の遺伝子が同定され、ヒポ伝達経路が2003年に知られるようになりました。
このヒポ伝達経路の構成分子がヒトでも保存されていることが分かり、腫瘍抑制シグナルとして癌研究にも発展しました。さらには、幹細胞やES細胞における再生医学や糖尿病などの代謝疾患との関連も言及されてます。
重要構成分子としてのHippoとWarts、Yorkie: HippoとWartsはキナーゼ(リン酸化酵素)、Yorkieは転写共役因子(転写つまり設計図のDNAからRNAを合成するに当たり必要な多数のタンパク質のこと)で、ヒトのMSTはHippoに、LATSはWarts、そしてYAP1とTAZがYorkieに対応してます。ショウジョウバエではHippoがWartsを活性化し、WartsはYorkieをリン酸化し、リン酸化Yorkieは細胞の核から細胞質に移行します。
カイジ=赤矢印は、哺乳類ではYAP/TAZ(転写共役因子)に作用し、次いでTEAD, p73などのいろんな転写因子に作用し、先ほど述べた細胞分裂やアポトーシス(プログラムされた細胞死)、器官の大きさ、さらには発癌などに影響を与えるわけです。
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