当社の癌対策の本務は「予防にあり」、2012年のNew England Journal of Medicine掲載論文(Zauber AG, et al., 366: 687-696, 2012)の膨大な統計解析により、特に大腸癌などは完全に予防できる癌の筆頭となっています。
残念なことに、未だこの予防法が間に合わない方々もいて、進行癌治療は個人特性が大きいので各論が多くなって煩雑な文章が多くなりますが、出来るだけ視点を整理して記述いたします。
ここでステージ3と書いたのは、「分子標的医薬含む抗癌剤服用が適応されるステージ」という意味であります。
- 診断されたら勉強しましょう。
日本の医療では、不具合と思えば病院に受診、各種検査を経て病名を得ることから始まる。感染症や外傷など任せておけば、という疾患もあれば、癌のように自分にとってはこの治療法はどうなのか、選択肢はどれほどあるか、を真剣に知る必要があるものがある。
指標としては、自前の勉強が必須とされる病気は受診時、その後の治療に対し、山ほど承諾書に署名させられると考えれば間違いありません。承諾書というのは、責任の所在を明らかにするものであるので、枚数が多ければ自己責任の度合いが多い。となれば、知らない、任せたでは済まされない、ということであります。医者は患者と心中しませんが、思い込みで先生にお任せしますから、ぜひとも治して下さいというほど、あなたまかせに出来ないのが臨床現場です。
2. セカンド・オピニオンは常識
実質的な勉強は、経験者に聞くのが最も手っ取り早く、かつ、有意義です。人脈を駆使して、同じ様な病気に悩んだことのある友人・知己、親族などから話しやすい方を選び、経験談を聞く。大病院ならば、病棟に同病名の患者が多々いるのであるのだから、病棟を一巡りする。
ここでヒントの端をつかみ、そこからたぐって自分はどうか、という自分と他人の類似項・相違項を列記していけばよいのです。ただ、ここでは、事実を客観視すること、故無き恐怖心や不安に支配されないこと。見たものに脅えないこと、が肝心要となる。
癌と言われただけで、既に影に脅えている心理になる方は多いので、いまさら何に脅えるのだ、と自分に言い聞かせる。
専門家の意見という点で、セカンド・オピニオンは常識であるけれど、どこの誰を選ぶか、医院の壁や名前が相談にのるわけではないので、どの医師を選ぶかが基本になります。口コミが最も良い指標となるため、やはり経験者の意見があれば、ということになります。
ただ、何にしても、自分と誰か専門的に相談できる人を確保しましょう。
3. 病巣除去と自力快復の免疫賦活が基本
ステージ3で手術が可能な場合、できるだけ病巣を除去することが基本になります。癌細胞は群を頼んで増殖しますから、数を減らすことは基本です。取りこぼしがあるだろうというのがステージ3の常識ですから、その残りをどうするか。
ここで、丸山ワクチンの例を引かずとも、この残りの除去と再発防止には、術後あるいは術前からの体力増強、自前の免疫能力の増強が肝心です。抗癌剤の基本はアキレスとカメですから、半分、半分と除去していっても最終的なゼロを目指していません。ゼロにするのは自身の、自前の快復力です。
1)指標は血中タンパク質量
免疫力は、血中タンパク質量に反映されます。術後、点滴や食事による補給では追いつかないので、ここでは即戦力で手っ取り早いサプリメントが効能を発揮します。全種類を必要十分補給するには、医院処方で4種類くらいになりますが、すぐ処方してもらえるし、保険医療で一括されますから、楽といえば楽です。ただ、だからといって安価になるわけではないことは承知しておきましょう。これも、知識は力ですから、良く勉強しましょう。
2)解毒作用は肝臓にて
手術に使う麻酔も含め、抗癌剤などの細胞毒は特に肝臓で解毒されます。つまり、肝臓機能を正常に保つことが必須です。前項でサプリメントに触れましたが、サプリメントも自然の物質の濃縮剤です。汗や尿にて排出できる水溶性のもの以外の脂溶性物質の濃縮版はかえって肝臓に負担をかける結果となります。肝機能検査項目以外にも、血中アルブミン量を見て、肝臓の状態把握の一助にしてください。
肝臓による代謝を阻害しない再生活動を高めるために、余分な化学合成物質はできるだけ持ち込まない、口に入れるものは単純に排出されないことをよくよく考慮し、何をどう使うか、良く考えましょう。
3)排出は腎臓にて
最終的に不要物質、死んだ病巣の残渣は水に溶かして腎臓から排出されます。腎機能の確保も病気快復に必須です。つまり、毒になりそうな余分なものはできるだけ摂らないこと、という基本を理解しておくのが大切です。
4. 補完療法の実際
これはまさに百花繚乱です。何か飲め、服用せよ、注射せよ、というものから、加持祈祷、拝み屋さん、というあなた任せの極論、あるいは何もしない、ということまで幾通りあるか数えようもありません。最終的に個人の選択です。加持祈祷にカイジ、という推奨処方?もあって、順列組み合わせですと、選択肢は無数です。
選択のかなめは、抗癌剤を使うか、忌避するかにあるように思います。
ステージ3までは完治に到達できるので、肝心なのは全身状態の良好な維持、でしょう。日本の長寿が栄養状態の顕著な改善と、何でも良いから抗生物質投与で感染症の抑制、によるところが多いのと同じです。栄養状態を良く保ち、感染症にかからない、これが癌治療の基本になります。
抗癌剤に否定的な要素はここに尽きるのであって、高濃度の細胞毒の注入により全身状態を極端に悪化させると、残っている数少ない癌細胞に再生増殖の道を与える、つまり治しているのか弱らせているのかわからない。事実、抗癌剤投与で寿命が縮まる、ということは良く見ることであって、特にステージ3でも4に近い、進行度の高いものに良く見られます。分子標的医薬はさじ加減がとても難しい、と言う現実と相まって、抗癌剤治療の効果発現と治癒という目標達成は大変困難を極めます。
栄養摂取できないほど全身状態を弱らせ、免疫力を低下させ、末梢神経障害という極めて不快な副作用をもたらし、究極、癌を治さない・・・となれば、選択肢としては、大変選びたくないものである、という事は確かです。
食道癌に放射線治療と抗癌剤併用後に手術、大変元気だとおっしゃっていた方は、1年後もうお姿を拝見できず、乳癌には抗癌剤だとあらゆる補完療法を拒絶された方も、もはや・・・という事実ばかり見せられますと、どうしても悲観的にならざるを得ない。
毒性も副作用もない、というところから補完療法選択は始まります。加持祈祷も、あるいは護摩炊く煙が苦しい、ということになるかもしれない。カイジはまずいです。服用量を考えると、拷問です。
ただ、これ以上、毒を身体に持ち込めない、ということから選択の端緒にしていただきたいと思います。
抗癌剤の功罪については、詳しく主治医に聞きましょう。遠慮している場合ではありません。何を求めているか、それに対して延命効果は、使わない場合との比較は、さらに、受診医院での成果統計は、関連項目全部聞いておくべきです。保健医療だからといって安いわけではありません。副作用で入退院を繰り返せば、それなりの出費はあります。
当社にご相談の方は、大抵抗癌剤が嫌いで絶対使いたくないという意志がはっきりしているので、術前からのカイジ利用で手術時の治療効果から違ってきます。手術除去での残りがあったとしても最小で済みますし、術後の体力回復が顕著なので、免疫賦活は自ずから明らかです。
抗癌剤投与と併用の方は少ないのですが、最近経験した1例については、抗癌剤投与前約2週間、毎日20gのカイジと3gの冬虫夏草の利用で、肝臓機能、解毒作用の驚異的な維持・促進が認められました。術後極端に減っていた血中タンパク質量、肝機能指標のアルブミンも、アミノ酸サプリとの併用が始まって2週間ほどで正常範囲内かそれ以上に快復しました。他に使っている薬剤はありませんから、補完療法の因果関係は明らかです。
ただし、末梢神経障害などの副作用については防御できませんでした。やはり、抗癌剤の毒性を凌駕できるほどの成果は自然物質では無理があるようです。それにしても、肝臓・腎臓機能の正常維持が顕著で、もともと肝臓転移の存在が疑われていたにも関わらず、不安解消になったことの効果は大きい。
安心しておりましたら、2回目からの分子標的医薬投与から顕著な白血球減少が認められ、末梢神経障害に加えヘルペス様の疱疹も出てきて、それこそ薬剤会社の使用説明書に明記して有るとおり、副作用は使用のたびに程度も大きく、内容もひどくなっていくことが証明されたわけです。これも、使用説明書にある通り、副作用の実際を主治医に伝えて投与中止・減量などを打診してもらうように助言しておりますが、多分、使用しないということにはならないであろうと想像し、次回の副作用がどこまで行くかと脅えております。
カイジは、抗癌剤の副作用防止機能もあると言及されていますが、肝機能維持という本来の機能以外の副作用防止については、抗癌剤の毒性に押されているのが現状です。特に、造血系の破壊は強度であり、インターフェロン等の増殖促進剤は、同時に癌細胞増殖にもつながるため、何のために抗癌剤を使っているかわからなくなるため、使えません。
気分が悪く、免疫能が顕著に低下しては、癌治療になりません。補完療法の限界です。
ここで、分子標的医薬の投与は毎日ではないので、投与後2週間ほどでまた白血球数は増加してきており、やめれば治る、という因果関係が明らかです。この病院では、あまり当てにはならないものの腫瘍マーカー定量による治療効果のモニターをしていないので、いつどこでどういう快復状態にあるのか、どう判定するかが不明ですが、術後3ヶ月おきくらいのCTや画像診断モニターで抗癌剤の休止判定ができることを祈る日々です。
不思議なことに、この患者様は、本来主治医が説明すべき血液検査結果の詳細とその意味について私どもにその都度ご相談されるため、本当に主治医と会話できていないのではないかと気の毒に思えてなりません。白血球の顕著な減少が認められたら、投与中止と使用説明書にありますのに、そういうことがあると患者に知らせず、検査結果の説明もせず、求められもせず、それが承諾書サインの実態であるのかと嘆息いたします(なお、弊社医師から患者様が処方されている抗癌剤の副作用についての情報をお伝えしてあります)。
少なくとも、抗癌剤使用の場合、実際の効能と、自分が効くタイプかどうか、の確認をいたしましょう。低反応性のタイプもありますから、せめて絶対効くタイプと知らずに、毒を飲み込むのは控えていただきたいものと考えます。それでも飲めと強硬に進める家族がいらっしゃったら、まずご自分で試してみるという覚悟を、と言いたいです。副作用を実感してみれば、言うことも変わってきます。
他に選択肢はあるのだということを念頭において、ご自分の選択する治療と目的意識を持ちましょう。
5. 費用についてー車一台分—
カイジが高くて月何万もかかる、という指摘がありました(1日20gで、1月7万弱です)。オプシーボでも保険が通る(保険適用3割負担で年間525万+その他の医療費)んだから、カイジも是非その方向で努力してほしいという要望です。ただ、補完療法については、保険が効いても効かなくても、同じくらい、車一台分程度は覚悟しなければならないだろうと言えます。あとは、その療法が効くかどうかで、古来より癌の自発的消滅という事例は報告されていますので、あとは個人の選択によるというのが究極の結論です。
私どもがカイジを扱うようになってから4年を過ぎ、実際の成果に立脚して基礎解析による分子基盤を明らかにしたのが今回の論文です。保険診療に向けては、丸山ワクチンを参考にいたしますと、
- 顕著な成果があること
- 科学的な裏付けが必要なので、論文など学会発表の蓄積、研究会の開催などの積み重ねが必要です。患者様は誰一人同一ではないので、単純比較できない場合もありますが、それでも、医療現場と患者様との真摯な協力体制、さらに信頼関係が必要になります。
というわけで、カイジに関しては、順調にこの流れに乗っています。
カイジ補完療法にかかる費用は、だいたい車一台分で、これも、どの車を選ぶかで値段は変わりますが、私は、たとえば抗癌剤服用にて平均18ヶ月という余命を完治まで持って行けるのに、車一台分という値段で済む、命が金で買えるという視点に驚愕します。
「単なる時間ではなく、痛みもなく、自覚症状もなく、元気で普通に過ごせる毎日、自分らしく過ごせる時間を繋げて何年、となる毎日」と、「副作用、再発の不安に脅え、痛みに支配され、立ち居振る舞いもままならない時間」を引き替えにすることができるでしょうか。
ステージ4となって、もう死ぬんだから余分な金をかけたくない、という議論もあるかと思います。ただ、こういう方は、癌の末期、悪液質というものの病態の実際をご存じない。麻薬で意識を遠ざけるしかない緩和療法、加えてその麻薬を注射する筋肉もなくなってしまうほどの体内変化、栄養摂取もままならない、立って歩くことはもちろん、考えることも、生き続けていることさえ自分の意志と逆らっていくその苦悩の実際を知らないから、死ぬというのはただ火が消えるような自然な流れと誤解してしまう。
予防できる病気を発症してしまったことも不自然ならば、やがて来る悲惨さを避けようとしないのも不自然だということに気づいて欲しいです。
人類は、ありがたいことに、このような癌の不安から、孤独を打ち負かすことに成功しつつあります。あとは、はからずも患者となってしまった方々も、あなた任せにせず、医療現場と協力し、使えるものは何でも使い、早く快復基調に乗ることを第一義に、現実を思い込みで誤解することがないように、落ち着いてゆっくり考え、周囲の智恵を集め、人脈から学び、正しい闘病をしていただけるように心より祈っております。