風と太陽 シュリベンチ後日談

省エネルギー、エコロジーの話ではありません。

シュリのベンチで記した、血管透過性増大による湿疹多発の患者様のその後についての考察です。

結局、カイジ服用をやめて、血管透過性を抑えれば良いという結論で、抗ヒスタミン剤を処方してもらい、症状は消えました。

ここで、考慮すべきは、この血管透過性増大という事象が、疲労蓄積と韓国旅行での食材にあったことは否めないものの、症状が出るまでにしばし時間があったということです。単なるアレルギーならば、食後6時間もあれば症状が出ているわけで、1ヶ月単位で顕性化したということは、体内で醸造期間があったということ。つまり、複合的な物質・特に肝臓における解毒作用の弱体化を促す要因があったということです。言い方を変えますと、外因性であったものが、内因性、体内の解毒作用弱体化と、原因物質の蓄積につながっているということです。

抗ヒスタミン剤によって、血管透過性の減少をもたらすことは可能ですが、これは、内因性の原因物質を逆に封じ込める結果となります。

カイジによる解毒作用の促進と血行促進による原因物質の排除は、抗ヒスタミン剤よりも時間がかかる作業になりますが、症状をもたらした根本原因の完全な体外排除と、その後の体質改善をもたらします。

つまり、旅人のマントを脱がすのに、暴風であおるか、太陽で暖かくするか、の違いに通じるものがあるのです。抗ヒスタミン剤で無理やり体内毒素を封じ込めてしまい、一見症状を抑えるのがよろしいのか、根本的に毒素排除で今後に備える方が得策か?これは、症状の強弱、患者の年齢、派生して起こる他の症状とのかねあいもあり、単純な計算ではありませんが、特に、中高年期になり、他の慢性疾患の発症にも懸念しなければならない場合、単純な暴風による封じ込めは危険と申し上げなければなりません。

人間の身体は、閉鎖系で、中身を取り出して洗うということができません。不要物の廃棄方法は限られており、尿や汗といった水溶性のもの、汗の一部分や便など脂溶性・水溶性が混合したもの、さまざまですが、とにかく何かに混ぜて外部に放出するしかないのです。

血管透過性というものも、無いと困る。何か放出し、廃棄しようとしている、という身体の中の自然というものについて、まずは身体の声を聞き、大掃除の一環として排出能を抑えこむことの危険についてもご一考いただきたいと思います。

<シュリのベンチとアレルギーの続き>