ウィキペディアによると、医療観光とも呼ばれ、居住国とは異なる国や地域を訪ねて医療サービス(診断や治療など)を受けること、とあります。
私どもに相談に来られた女性の方で地方に住んでいて大腸癌と診断されて手術することになったが、おなかを切られるのが嫌でなんとかならないかという相談を受けました。そこでは進行癌ということで開腹手術しかできないということから、神奈川県の大学病院の消化器内科医に内視鏡写真を見てもらったところ、確かに進行癌らしいということで、肛門から入れる内視鏡下手術の適応ではないと判断され、消化器外科医に紹介をしたところ、その医師は腹腔鏡下手術が可能と判断し、さらに地方では数ヶ月待たされての手術のところ、神奈川の大学病院では1ヶ月後の手術予定を入れてもらうことになりました。その患者さんは地方の病院でたまたま上部消化管内視鏡検査で胃に異常が認められたが,経過観察ということで様子を見ましょうということであったが、大腸の手術をするということで、大学病院の当初の消化器内科医によりあらためて上部消化管内視鏡検査を行ったところ、早期胃癌と診断され、重篤な大腸の進行癌をまず腹腔鏡下手術を行い、その後に早期胃癌手術を内視鏡下手術で摘出するという非常な幸運に恵まれた患者さんを経験した。
この患者さんは大腸癌周囲リンパ節に1個の転移を認められましたが、大学病院医師より懇切丁寧なインフォームドコンセントにより、抗癌剤治療による副作用や、抗癌剤治療による治癒率と抗癌剤治療をしないことによる治癒率の比較について説明され、当初は副作用の少ない抗癌剤治療を選択しました。この治療は紹介された地方の中堅病院にて行うということで医療情報提供書を持って、その病院を受診したところ、神奈川の大学病院での懇切丁寧なインフォームドコンセントも何もなく、すぐにその抗癌剤を処方され、抗癌剤治療を開始するようにと指示されてしまいました。
実はこの患者さんは、大腸癌の腹腔鏡下手術後すぐに、早期胃癌の内視鏡下手術が予定されていましたが、患者さんの事情により、一旦地元に戻り、1月後にもう一度上京してもらい、神奈川の大学病院にて手術をしてもらうことになっていました。その状況についても地方の主治医に大学病院医師より状況提供書が渡っているにも拘わらず、その事情を酌まれず、大腸癌に対する抗癌剤治療開始せよとの一方的な医師の指示に、患者さんは神奈川の大学病院の医師から受けた対応と、地方の中堅病院の医師からの対応の違いに愕然とし、その場で抗癌剤服用を開始しないとを決められました。そこには弊社の医師・医学博士である医療相談所所長と十分なやりとりがなされたことにより、患者さんも納得して、所長の示唆に従い、抗癌剤が処方され、手元にあるにも拘わらず、使わないという選択をいたしました。
1月後、早期胃癌の内視鏡下手術は無事に終え、数日の入院後、すぐに退院し、帰京いたしました。その後、弊社医療相談所長の指示により、弊社取扱いの中国抗癌生薬の「カイジ」を1日20gの服用から始め、約8ヶ月の服用により、飲まないことで抗癌剤の副作用に悩まされることなく、まったく障害なく過ごすことができ、体重も10キロ増え(大腸癌発症時には平素より10キロの体重減少が認められていた)、元に戻り、患者さんのQOL(人生の質、生き甲斐の質)を非常に良好で、旦那さん始め、家族の皆さんに感謝されております。その後、「カイジ」の服用量を1日3gに減らし、3が月続けられました。現在は、患者さんは大腸癌モニターとして、弊社の大腸癌超早期発見のための「セプトフォー検査」を3ヶ月毎に受診し、問題ないことを確認すると共に、術後1年後の検査は神奈川の大学病院の主治医が東京の大学付属病院に異動したことにより、東京病院にて内視鏡検査ならびにCT検査、血液検査などを受け、全く問題ないことが確認されております。
この患者さんはまさに幸運と言えるでしょうが、実は、この患者さんは自らの意志を持って、医療を選択したからこそ、現在の健康を取り戻せたと言っていいと思います。弊社はこの患者さんの意志を尊重し、最大限のサポートを行い、患者さんや家族の笑顔を見られることに喜びを感じております。患者をただ治すことが目的でなく、患者さんやその回りの家族が幸せになることに手助けできることが医師としての生き甲斐であり、その意味で今回の症例は非常に成功したものと思います。
したがって、医療ツーリズム、医療観光は決して海外へ行ったり来たりで、診断・治療を受けるのではなく、現在の日本医療の地域格差を鑑みると、国内こそ医療ツーリズム・医療観光が必要であり、自らの健康を守るためには一考されてはいかがでしょうかというお話しです。