セプトフォー再陽性となる間隔

セプトフォーは、癌細胞100万個、病変にして平面5mm径の集積を示せば検知可能である。患者において微小ポリープほど、あるいは、はっきり目視できる段階ではない。しかし、大腸内視鏡によるポリープ除去、あるいは、内視鏡のための下剤による腸管洗浄、憩室内洗浄等の効果により、内視鏡施行後7〜10日でセプトフォー陰性化を見るということは、確かに存在したセプトフォー産生物質を除去した、という証明である(他に体内変化をもたらす要因がないので)。生体内環境における癌細胞からのセプトフォー産生(細胞分裂時に放出される)、その検出と実地臨床との相関は、実験的に確認することは不可能であり、このような実地の生態環境の観察で確認されてきた。

実際に、他の腫瘍マーカー陽性でセプトフォー陰性の場合、病変は確認されず、他のマーカー陰性でもセプトフォー陽性の場合、多くの前癌病変を内視鏡下で除去できた。前立腺癌等、他の癌においても同じで、セプトフォー陰性の場合、静観して全く問題ない例ばかりである。

なお、医療相談例の内視鏡下手術にて除去可能であった大腸癌の例は、血中セプトフォーモニターの有効活用例の最たるものである。発見が遅れ、ひいては除去手術が遅れていた場合の患者のその後の人生を想像するに慄然とする。この例では、ストレス要因となる家内の事情があり、1年後にポリープ再発を観たが、陰性化したセプトフォーの再陽性化までは、予期せぬストレス発生を除き、5年以上かかるのが普通である。通常、1年に1度程度のモニターで十分である。