胸腺癌:8年後の多発骨転移

胸腺癌:多発骨転移(8年後)、66歳 男性

 上の脊椎の360度回転の動画では、健常者(下)では椎骨と椎骨の間に椎間板の空隙が見られる一方、患者(上)の動画では胸椎前面に上から下までに仮骨の繋がりが認められる。第3および4腰椎体右前部では骨が破壊されているため、透けて見えている。

平成26年2月14日、居酒屋の2階より泥酔状態で右側を下に転落、右肩甲骨、鎖骨、肋骨4本および右手首骨折にて救急搬送。搬送された病院にて生検(詳細不明)、胸腺癌の再発および多発骨転移。カルチノイド腫瘍、との診断で、治療法なしとして骨折治療のみを行う。余命3ヶ月から半年と宣告され、当方に医療相談依頼、3月19日、整形外科病棟入院中からカイジ処方開始(1日60g、および冬虫夏草3gを追加)。翌日には、寝たきり状態が車いすに、さらに2日で歩行可能になった。コルセットにて胸腰部固定とし、リハビリしつつ、4月7日退院。当方の胃癌リスク検査にて、ピロリ菌感染陽性、ペプシノゲン定量から萎縮性胃炎も示唆された(タイプC)ため、ピロリ菌除菌および上部消化管内視鏡による精査が必要と判定された。セプチン4は陰性。

余命3ヶ月から半年と宣告され、医療相談を受けるに至る。神奈川県西部の出身にて、予想されたピロリ菌感染も陽性、強度の萎縮性胃炎も認められた。仕事で台湾に10年在住。

家族歴:特記すべきことなし

主訴および現病歴:

医療機関においてCT、MRI、PET等精査した結果、椎骨のC3よりL3に至るまで広範囲の骨転移を認める。特に、Th12−L1部分に圧迫骨折あり、頚椎部は骨棘形成が強く、両腕にしびれ感あり、鎮痛剤とビタミン剤の対症療法にて様子を見る。他に、膵体部に樽状の腫瘤増大部を検知。膵癌の併発、あるいは膵臓への転移を考慮するも、血液検査等で異常なし。骨生検標本精査により、神経内分泌性腫瘍であることを確認。

140612-AK-CT-Spine-幅300

上記診断特定するも、医療対処として何ら可能な方法はなく、コルセットによる骨損傷予防と重度の運動制限のみを指摘された。

医療相談当日の3月19日より、カイジ最大量60g/日及び冬虫夏草3gの服用開始。翌日には、寝たきり状態が車いすに、さらに2日で歩行可能になった。骨折部の回復も順調。頚椎の骨棘形成による両腕のしびれ、神経刺激痛を除き、全く日常支障なく、プール運動、歩行1日1万歩を実行し、救急搬送前の生活を持続可能になった。

その後、5月よりカイジ服用量を1日20gとして11月末まで続行、近医にて3ヶ月に1度程度のCTにてモニター中、初診時より変化ない。血液検査等、特に異常なく、CEAによる腫瘍モニターも、5.0〜7.0と安定している。

5月までと言われた余命も、現在1年半となり、QOL(生活の質)に一切影響ない日常で、椎骨変形による神経刺激痛のコントロールのみの投薬となっている。変形した椎骨部位に対しては如何ともしがたいが、転移腫瘍巣に関しては、全く変化なし。転移が発見されるまでの8年間の検査データは医院に保管記録なく、状況未詳。

上の脊椎の360度回転の動画では、健常者では椎骨と椎骨の間に椎間板の空隙が見られる一方、患者の動画では胸椎前面に上から下までに仮骨の繋がりが認められる。第3および4腰椎体右前部では骨が破壊されているためか動画上透けて見えている。