胃硬癌:76歳 男性
新潟県在住。信濃川流域は神奈川県以上に45歳以上の年齢層にピロリ菌感染者が多い(約70%、3人に2人以上)。この患者もピロリ菌感染長期に及び、強度便秘、顕著な体重減少で受診した医院にて発見されたときは硬癌(スキルス)であった。主治医は、余命1年以内を宣告、抗癌剤治療も奏功しないであろう、延命効果も期待できないというコメント。
何かできることは、という患者の姪の紹介により患者本人と面談の上、要望があってカイジ1日20〜60g(最大量)、冬虫夏草3gの服用開始。ただし60gは多量に過ぎ、服用困難もあるかと20g以上できるだけ、と指示した。ここで、妻の強固な主張により、カイジ服用後3日目より抗癌剤治療開始。その後しばらく連絡なく、8ヶ月後、QOLが全く発症前のまま良好に保たれ、抗癌剤投与も予定を完遂、副作用なし、日常生活に全く支障なし、という連絡があった。1年3ヶ月にて異常なしとのこと。検査データなど詳細未詳であるが、カイジ20g/日×3月+冬虫夏草3g/日×1月の効果としては望外のものと認める。
総括:患者本人と家人との要望が異なる場合の治療の難しさを考える。癌という疾病への対処は、病院内のみに存するものではない。また、年齢に関わらず、ピロリ菌感染の有無と除菌の必要性を痛感させられる事例である。